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ナゾの騎士団 [なんちゃって博物誌]

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11世紀、キリスト教徒たちの聖地であったエルサレムは、イスラム教徒たちの地でした。
ローマ法王の掛け声ものと、聖地を取り返しましょうというムーヴメントが起きました。

これが十字軍です。

十字軍は一回きりではなくて、およそ2世紀かけて数回行われました。
ホントに聖地を奪還したいという純粋な理由もあったでしょうが、一旗あげたいとか宝物目当てとか
不純な理由がないわけでもなかったようです。

危険を承知で巡礼に行くと、異教徒に襲撃されます。
だから第1回十字軍が運よく(だと思いますが)勝利した後に、巡礼者を守る護衛団のような組織が
作られました。

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ユーグ・ド・ペイアンという、第1回十字軍に参加した騎士をはじめとする勇者9人で結成されました。
当時のエルサレム王がこの護衛団の拠点をソロモン神殿の近くにしたことから、テンプル(聖堂)騎士団
と呼ばれるようになりました。

これが1118年。

法王からもお墨付きをもらい、命を惜しまず異教徒と戦い、巡礼者を守る。
守ってもらえるならと寄付金がどんどん集まって、たちまち騎士団はリッチになりました。

なんと、200年の間にはヨーロッパ中にネットワークを持つ金融業まで営んでいて、王侯貴族に
金貸しまでしていたそうです。

清貧や貞潔をモットーとしながら、金貸しまでしてしまうとは、なんだかですね・・・・。
とにかく、途方もなく莫大な財産を築いたことに間違いはなさそうです。
なにせヨーロッパ中に9万か所もの領地を保有していたといいます。

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だって、国王の嫉妬までうけるのですから。
フランス王フィリップ4世は、国家の財政難に苦しんでいました。それで、ある時、テンプル騎士団の財力に
目を付けます。なにせ、フランス国家よりもはるかにお金持ちなのですから、彼らの財産を没収すれば
濡れ手に粟なのです。

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1307年、たぶん、周到な計画ものと、王はテンプル騎士団にあらぬ罪を着せて彼らを捕え、拷問にかけて
無理やり虚偽の自白をさせ、火刑に処してしまいました。

黒魔術を行ったとか、同性愛だとか、悪魔を崇拝していたというような嫌疑でした。
新しく入団した人たちにうその証言をさせ、悪魔興集団に仕立て上げ、まんまと全財産を没収できたのです。

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法王(フランス王に加担)のクレメンス5世の教書によって、この時のテンプル騎士団のリーダーだった
ジャック・モレーは火刑に処されましたが、彼はフランス王と法王を呪って死にました。

すると・・・

なんと、フランス王もローマ法王も、モレーが火刑にされたその年のうちに急死してしまいました。
フランス王はなにかに憑りつかれたかのように衰弱死したそうです。たった46歳でね・・・・。

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12世紀から14世紀のたった一時期に莫大な富を築き、歴史から姿を消した騎士団。
悪魔信仰は濡れ衣だったとヴァチカンは正式に訂正表明したようですが、結束力を高めるためには、
やはり秘密めいた協議があったことは否定できないでしょう。

巡礼者を守る、というよりは、襲ってくる異教徒を片っ端から殺してしまうことが彼らのやり方だった
ようです。いくら自分とは教義が違う相手だとはいえ、情け容赦なく命を奪うのは、恐ろしいことです。
もちろん、やらなければやられる・・・・ということで、それは現代のテロリズムとなにも変わらないと
思いますが。

一番よく知られていることはバフォメット信仰です。
ゴヤのサバトの絵で有名ですが、あれはちょっとあとのイメージ。

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騎士団のバフォメットは、本物の人間の頭がい骨、もしくは頭部のミイラ、あるいは作り物の頭蓋骨
だったと言われます。これは悪魔崇拝ではなく、豊穣と富の象徴として信奉されていました。

でもきっと、部外者には多くのことが秘密にされていたために、フィリップ4世があらぬ嫌疑をかけてきた
時に、バフォメット=悪魔とされ、ゴヤの絵のようなグロテスクなイメージが広められたのでしょうか。

バフォメットの起源については諸説ありますが、グノーシス派の知恵の神メテがもとになっているのでは
ないかと言われます。ギリシア語で「知恵の吸収」という意味もあるようなので、これは結構、そうかも
しれないですね。

つまり、バフォメットを悪魔に仕立て上げたのは、フィリップ4世???

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テンプル騎士団は第1回十字軍のあとにきら星のごとくヨーロッパの歴史に登場したように見えますが、
シオン修道会がもとになっているのではないかとも考えられているようです。

これはフランスのメロヴィング朝の復興を願う集団だそうです。
南フランスのレンヌ・ル・シャトーというところに「聖杯伝説」なるものがあり、そこにはフィリップ4世でも
見つけられなかったテンプル騎士団の莫大な財宝が眠るといわれています。

ここの謎を解こうとすれば、ことごとく暗号の中に「SION」というキーワードが現れてくるそうですよ。
ちなみにシオン修道会には、ダ・ヴィンチやドビュッシーがいたといわれます。
キリストの失われた聖杯がその「宝」なのではないかとも言われているようですが・・・

なんか、ダン・ブラウンの小説のネタみたいなミステリーですw

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テンプル騎士団のシンボルもまた、フィリップ4世の嫌疑のかっこうの対象になりました。
馬に乗った2人の男。
男2人でタンデムとは、いいように見れば「結束」「信頼」「友情」と取れます。
これをフィリップ4世は同性愛としてとらえ、糾弾しました。

また、テンプル騎士団は「キリストははりつけにされて死んだのではなく、実は生き続けていた」と
信じていたそうで、そのために「キリストを否定した」とフィリップ4世は法王に告げ口しました。

もともとキリスト教の巡礼者を守る集団なのに、反キリストとは?? なんとしても財産を取りあげようと
いう、フィリップ4世のこじつけのすごさww

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ダン・ブラウンの『ダ・ヴィンチ・コード』にも出てきたと思いますが、キリストは生きていて、マグダラの
マリアとともに南仏に逃亡、彼女との間に子供を作っていた・・・・という、ミステリー好きな人間には
わくわくするような話がありますが、シオン修道会がそれを信じていたとすれば、その延長にあるテンプル
騎士団が同じように信じていたとしてもあまり不思議はないです。

キリストははりつけになって亡くなったからこそ「神の子」となって、キリスト教をヨーロッパに広めることに
なったから、キリストが生きていたと言ってはマズかったのかもしれないですね。

まあ、テンプル騎士団としても清貧をモットーとするのに一国の王をもしのぐ財を築き、金貸し業を
していたとなれば、逆恨みをかっても・・・・・・しかたない、のかもしれないですが・・・・。


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風太郎

前ローマ法王、ヨハネ・パウロ2世は過去の過ちを謝罪しました。
例えばガリレオの地動説などです。
権力者はその権力を正しく使わないといけないですね。
by 風太郎 (2012-05-24 06:22) 

secretariat

これにフリーメイソンを絡めると話がややこしくなりますかね?^^;
by secretariat (2012-05-24 07:51) 

こっちゃん

こんにちは。
つい先日読んだ「ダビンチ・コード」そのままなんですね。
nikiさんは造詣が深いな。
またいろいろと教えてください。
またお邪魔します。
by こっちゃん (2012-05-24 10:47) 

nana_hyr

ダン・ブラウンの『ダ・ヴィンチ・コード』読みました。
映画のトム・ハンクスもよかった。
信じてるものを他の信仰でなきものにされるのは寄りどころがなくなるということですよね、信じていた人を他人が介在してきたことで信じられなくなるとか、置き換えてみると争いごとになるのもわからないでもない。
by nana_hyr (2012-05-24 11:45) 

砂漠のラクダ

こんにちは^^

やっと体調が戻ってきました!
暖かいコメント!ありがとうございました^^
by 砂漠のラクダ (2012-05-24 14:41) 

アヨアン・イゴカー

大変興味深い記事ですね。十字軍には興味があります。
by アヨアン・イゴカー (2012-05-24 16:59) 

hanamura

私は十字軍や現在のア◎カ◎ダの方が理解できます。衆愚政治=マスコミに煽動された現在の日本人の方が、ドコに行くのか怖くて怖くて、こんな日本にダレがした?・・・って言うと、「GHQ!」と答える方々も責任感無いなぁ。
nice!のお礼コメントがぁ・・・ちょっと情緒不安定です。(病院帰り)
by hanamura (2012-05-24 19:39) 

arles

おかげさまで、点滴とのみ薬と塗り薬で
何とか直りました。
ご心配頂きありがとうございます。
そちらは大丈夫ですか?

by arles (2012-05-24 20:44) 

しばちゃん2cv

いつものごとく、濃い内容に驚きます。
ありがとうございます。
by しばちゃん2cv (2012-05-24 21:37) 

Hirosuke

>ダ・ヴィンチやドビュッシー

ふむふむ・・・。

by Hirosuke (2012-05-25 10:17) 

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