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”彼女の絵は、彼女の人生” [l'histoires de femmes]

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初めて見る者の目をくぎ付けにする強烈な個性。
それは彼女の絵に対しても、彼女自身の写真に対してもどちらも言えることです。

美女なのに、つながった濃く太い眉。
そこにはゆるぎない意志が秘められています。

フリーダ・カーロ。
1907年、彼女はドイツ系ユダヤ人の写真技師であった父と、メキシカンインディアンとスペイン人の
血を引く現地の母との間の、4人姉妹の3番目としてこの世に生を受けました。

生まれた時の星のめぐりで一生が決まっているとしたら、彼女の数奇な人生は、もうこの時には
決まっていたのでしょうね。運命は小さな女の子にいきなり過酷な日々を与えます。

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6歳の時に小児まひにかかり、右足を引きずるようになります。
それでも明るく負けず嫌いな彼女は、父の方針で高い教養を備えていきました。

15歳の時は最高の高等学校に入学しました。
ここで彼女は初恋を経験します。
アレハンドロという男の子と、情熱的な恋に落ちるのです。

しかしまた、彼女は悲劇に襲われます。
18歳の時、アレハンドロと乗っていたバスが事故に遭い、彼女は重傷を負うのです。

骨盤骨折、肩の脱臼と肋骨、背骨、鎖骨、骨盤の骨折。
そして右足の粉砕骨折。死ななかったのが、不思議なくらいの重傷です。

1年以上も闘病生活をつづけました。
その間、彼女は絵の勉強を始めます。
残念ながら、恋人は彼女のもとを去っていきました。

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アレハンドロと付き合っていた学生の頃、壁画を描いていた画家ディエゴ・リベラに出会っていましたが、
絵を学んでから彼女は、友人宅で彼と再会し、絵の指導を願い出ました。
20歳も年上の中年画家。彼もフリーダの情熱的な個性に惹かれていき、22歳と42歳の時、
二人は結婚しました。

しかしお互いの浮気によって、それに事故の後遺症による骨盤の骨折のための流産によって、
二人の結婚生活には暗雲が立ち込めます。

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よほど子供が欲しかったのでしょうね。
子宮や骨盤を描いている作品も多いのですから。

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ディエゴは本来浮気性だったし、そんな彼に耐えられなくなったフリーダも、アメリカアーティストだった
イサム・ノグチ(李香蘭のもと夫ですね)やソ連の政治家トロツキーらと浮気します。
彼女はバイセクシャルであったとも言われるので、女性とも浮気したのでしょう。

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事故の後遺症による激痛、流産、アルコール中毒、夫は彼女の妹にまで手を付け・・・・
作品の大半を占める自画像において、彼女は肉体的・精神的苦痛を表現しています。

夫に愛されたい、自分だけに愛を注いでほしい、そんな思いがキャンバスに描かれていきました。
傷付いて血を流す自画像、二人の自分を描く自画像。
夫を自分の額に描く自画像。

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「私は人生で2度、九死に一生を得て苦しんでいるの。一つはバスの事故。
そしてもうひとつはディエゴ」

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前者は身体的に彼女に打撃を与え、後者は精神的に彼女に打撃を与えたのです。

生涯、30回を超える手術と痛みに耐え続けながら絵を描き続けました。
結婚してからは民族衣装に身を包むようになります。
自分の中に流れるメキシコの血を意識して、メキシコ共産党員としても熱心な活動をつづけました。

結婚10年後、彼女はディエゴと離婚しますが、1年後には復縁します。
その年、かつての愛人だったトロツキーが、彼女の尊敬するスターリンの送った刺客によって暗殺されました。

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体の痛みはますますひどくなりこそすれ、よくなることはありません。
しかし彼女は絵を描くことをやめませんでした。

1953年、ついに右足を切断します。その年に初めてでしかも祖国で生存中たった一度きりの個展が
開かれることになります。

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地元の批評は、その個展を「彼女の絵は、彼女の人生だ」と評価しました。
ドクターストップがかかっていたにもかかわらず、彼女はベッドのままオープニングのあいさつに出かけ、
ベッドの上で人々に挨拶をしました。

その後、寝たきりのまま絵を描き続け、夫に結婚25周年記念の指輪を渡したひと月後に、肺塞栓症で
息を引き取りました。

「体が焼かれる。焼かれるのは嫌だわ。あたしの人生のほとんどは、寝たきりで過ごしたわ。
・・・ただ焼いてしまって!」と、彼女は死に際に言ったそうです。

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死の翌日、彼女は火葬場で荼毘に付されましたが、悲しむ人々の目の前で、彼女の死体は
炎の熱で縮み上がり、突然、跳ねあがりました。

髪は炎に燃え盛りまるで後光のように、唇には微笑をたたえているようにみえたそうです。
死にざまも実に個性的でした。

彼女の死後、ディエゴは二人の家をメキシコ政府に寄付しました。
その3年後に彼もなくなると、政府はその家・・・「青の家」を、フリーダ・カーロ美術館に改築しました。

・・・ちなみに、彼女の遺骨は粉末にされて、この「青い家」に周りに撒かれたそうですよ。

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自分の人生を描き続けた画家、フリーダ。
彼女はラテンアメリカの、メキシコの女性たちのあこがれになっただけではなく、世界的にも認められる
シュルレアリスムの偉大な画家となりました。

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この絵はペットの鹿の胴体に自分の顔。夫に傷つけられた彼女の悲しみを表しています。



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末尾ルコ(アルベール)

彼女の作品はとても通俗な表現が多いんですが、それがパワフルですよね!

                               RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2011-12-26 02:01) 

emixmamy

壮絶ですね(><)
でもこの方の絵、かなり惹かれます。
by emixmamy (2011-12-26 07:37) 

lamer

絵は自己表現ですから・・・。
フリーダは素晴らしい!
by lamer (2011-12-26 09:31) 

cafelamama

nikiさん
コメント有難うございます。
うれしかったです。
それにしても近所にお住まいとはビックリしました。
これからも、よろしくお願いします。

by cafelamama (2011-12-26 11:05) 

たいちさん

彼女の絵は、見た記憶がありますが、経歴をこのように系統だっては知りませんでしたね。道理で絵に凄味がありますよね。
by たいちさん (2011-12-26 11:14) 

はなぶく宇宙人

壮絶な生涯ですね。
パワーの有り過ぎる人は、こういった人生を歩んでしまう傾向にあるのか?
なんて風に思ったりもします。
by はなぶく宇宙人 (2011-12-26 14:32) 

chacha

彼女の夫は、彼女の粉末になった骨を口にします。
それだけ愛し合っていながら、
浮気を続けた二人。
幸せだったのでしょうか?
不幸せと言えるのでしょうか?
どちらにせよ強烈ですね。

by chacha (2011-12-26 17:54) 

大林 森

とりあえず、絵をかいてごはん頂いてますが、絵には必ず人となりが出ますよね・・・。壮絶!(⊃д⊂)
by 大林 森 (2011-12-26 20:43) 

akoa

初めて知りました。生き抜いてた人ですね。
素敵なお話をありがとうございます。
なんだかパワーをもらえた気がします。
by akoa (2011-12-26 22:04) 

hatumi30331

この映画・・・大好きでした!
by hatumi30331 (2011-12-27 15:01) 

koume

違ったらごめんなさい。
以前雑誌で彼女だと思う人の人生と絵画が載っていました。
自画像で、串刺しになっていたりする怖い感じがするものでしたが、
ひきつけられるものがありました。
ずっとお名前がわからないでいましたが、nikiさんの記事で
思い出しました^^(多分、この方だとおもうのですが。。。)
彼女の壮絶な人生に感動しました。
ありがとうございます^^

by koume (2012-11-12 09:03) 

su-nya

映画化のサルマ・ハエックなかなかの名演でした。
でも、イサム・ノグチさんとも浮気したことも李香蘭さんの元・夫だったことも知りませんでした。たいへん勉強になる記事です。←ちょっとワイドショーネタに反応。

メキシコはガイコツモチーフが定番だったり、遺骨を家の壁に塗りこむってすごい発想ですよね。散骨ではなく、塗りこむ…。

でも最近日本でも遺骨をアクセサリーに、という新聞広告を見て度肝を抜かれました。骨まで愛して~♪
かと思ったら子供の乳歯をアクセサリーにする人がいたり。

ガイコツ(カワイイ系)は好きだけど、うーん、
NOTHANKYOUかなぁ。
by su-nya (2012-11-14 04:17) 

ノリーナ

壮絶な人生!
過酷な試練を幾度も浴びせられ、それでも炎のように燃え盛る彼女の生き様。
小説で震え、絵画集で脳裏にやきつき、映画で再び感動しました。
彼女のようなパッションはないけれどメキシコに行って彼女に思いをはせたいと思っています。
(遡って記事見てましたので今日になってしまいました)
by ノリーナ (2012-11-14 16:35) 

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